『 矢口真里のANN SUPER! 』
仙台でのコンサート( 2公演 )を終えた後に、今回のラジオ生放送に臨んだ矢口さん。2回のコンサートを終えた後とは思えないほどに元気一杯でテンションも高めです。
今回で番組が最終回ということもあり、矢口さんは番組開始から 「 やだよ〜。 」、「 寂しいよ〜。 」 などの言葉を連発します。
ジメジメとした悲愴感を払拭するために、口調自体はおちゃらけた感じなんですけれども、それはまさに矢口さんの切実な心情の吐露でした。
決して手を抜いたりせずに全力をもってこの番組に取り組んできたからこそ、その喪失感は重みのあるリアルな感覚を伴って、矢口さんの胸の内にヒシヒシと募るのでしょう。
流れ行く時間、そしてその時間と共に変化を繰り返す私たちを取り巻く環境、そしてその環境の変化と共に移ろい行く様々な思い ― 。
「 生きる上ではそれが当たり前のこと、仕様が無いことである。 」
と、私も頭の中ではちゃんと認識して、理解していることなんですけれども...。
歳のせいですかね...。
私は最近、そういった移ろい行く思いの残酷なまでの流動性、相対的な関係性の結びつきの希薄さなどを体感するにつけて、センチメンタルな心境になってしまうことが多いです。
と、そんな感傷的な気持ちに襲われている私を、『 元気出せっ!! 』 と言わんばかりに、力強く引っ張り上げてくれたのは......やっぱり、この人でした。
( ” Tシャツ先生 ” のコーナーでリスナーからのハガキを読む矢口さん。と、リスナーからの通常のハガキの中に、こんな意味不明なハガキが紛れ込みます...。 )
矢口 : 「『 センチメンタル梨華向き By 石川梨華 』....。ハァッ?なにこれ?ていうか、これ梨華ちゃんの字じゃん!なに?なにコレ??」
石川 : 「ヒドォーーイ!!」
矢口 : 「うわ、ビックリしたーー!なにイキナリ!梨華ちゃん何しに来たのぉ!?」
石川 : 「いや、差し入れを持ってきたんですよぉ。かまぼこでしょ、あと明日の朝ごはんの納豆でしょ、あと食べかけのポッキーと...。」
矢口 : 「なにコレ?差し入れじゃないじゃん!単なる残り物じゃん!? ていうか、どうしてここにいるのさ?」
「 Tシャツ先生 」 のコーナー。矢口さんに内緒で、石川さんいきなりの登場&しょっぱなから暴走開始です。前々から、矢口さんのラジオに出たい出たいと言っていたらしい石川さん。念願かなって最終回の放送に出演です。
いきなりの石川さんの登場に、素で驚く矢口さん。私も、何の予告もなしに登場した石川さんの声を聞いて驚いてしまいました。そして驚くのと同時に、
『 なーんか、オモロイことになりそうだなぁ♪ 』
という期待感が、私の胸の中にフツフツと湧き上がってきました。
そして、この後の展開は、というと...。
矢口 : 「はい。飛び入り参加ということで、今日はこの人がいらっしゃってます。どうぞ。」
石川 : 「ハッピーーー!!石川梨華でぇす♥ 」
矢口 : 「この時間帯に、あんまり聞きたくないテンションだねぇ。(← バッサリ!) 」
とか
( ↓ 石川さんが矢口さんに代わってフリートークに挑戦する。の図 )
石川 : 「そうだなぁ...今日は...あの、ライブ初日で、いい汗かいてきましたねぇ...」
矢口 : 「はいはい。」
石川 : 「最高でしたねぇ。」
矢口 : 「ウンウン。」
石川 : 「...うーん...。」
矢口 : 「うん(笑)。」
石川 : 「そんでぇ...あの...。」
矢口 : 「うん、で?」
石川 : 「えと..ゲホゲホゲホ..」 ( ← 石川さん突然むせる )
矢口 : 「アハハハハハハ!」 ( ← 矢口さん、大爆笑 )
・・・ ( 2分経過 ) ・・・
矢口 : 「もういいよ。話すこと無いじゃん、ねえ?」
石川 : 「エエッ!?」
矢口 : 「何か聞いてよ、じゃあ。何か質問してよ。」
石川 : 「えー。......じゃあ、好きな食べ物は?」
矢口 : 「アハハハハハ!なに、それ?...ええと、好きな食べ物ぉ?焼肉でしょ、チーカマでしょ、..ポップコーンも好きね。あ、あとアイスも好きね。」
石川 : 「あ〜。」
矢口 : 「だから? ( ← またしてもバッサリ! ) 」
石川 : 「...うーん...。」
だったり
矢口 : 「まあまた今度ね、日曜日の夜11時からニッポン放送でラジオ番組やるから。」
石川 : 「はい。」
矢口 : 「そん時には石川さん...。」
石川 : 「はいっ!!」
矢口 : 「別に遊びに来なくてもいいよ。」
...といった具合に、矢口さんと石川さん、匠の技と技とが冴え渡ります。
良いですね。やっぱり。
『 やぐりか 』、大アリですね。
石川さんの登場以降、
石川さん、変にハイテンション
↓
矢口さん、冷静にボケを拾ってそつなくツッコム
↓
石川さん、ちょいヘコム
↓
矢口さん、微妙にフォロー
↓
石川さん、復活!
という、『 エンドレス ・ ファンタスティック ・ コンボ 』 が連発しました。
石川さんも矢口さんも、トークをしている最中はお互いに非常に活き活きとしておりました。
『 適材適所 』
矢口さんも石川さんもピンでは出しえない、いい味を出しまくっておりました。やはり生まれもってのボケ・ツッコミの才能が不可避的にリンクすると、最終的には当然の如く、笑いの世界に帰結することになりますよね...(^^;
やっぱり石川さんは、こういうキャラが最高なんですよ!!そして、石川さんのそんなキャラクターを最大限に引き出す力を持っている矢口さんもやっぱり最高なんですよ!!
そしてそんな様子を見てニヤニヤしているボクっていうのは、どう考えてもサイテ (以下略)。
さてさて、石川さんの出演が終わって矢口さんが最後のフリートークを始めると、場の空気は明るく楽しいものから一転して再び最終回を否応無く感じさせる、寂しさが漂うやりきれない雰囲気となりました。
番組開始当初は、果たして自分に2時間枠のラジオのDJが務まるのだろうかという不安感に苛まれていたと言う矢口さん。
しかし頑張って番組を続けることによって、その不安感がいつしか自信 ・ 喜びへと変わり、最初は怖かったはずの生放送のラジオ番組が、いつしか自分の素直な気持ちを表現することの出来る、ありのままの自分自身の姿を皆に理解してもらえる、数少ない本当に貴重な場となっていたと語る矢口さん。
彼女の言葉は、ただ与えられた仕事を事務的にこなすのではなく、一つ一つの仕事に強いこだわりと愛情をもって接してきた者だけが獲得することの出来る、確かな達成感と充足感に満ち溢れておりました。
そして彼女は最後にリスナーに対して、自分のことを、
アイドルという名の、商品としての 『 矢口真里 』
ではなくて、
傷つきもすれば涙だって流す、普通の人間となんら変わりの無い一人の女性としての 『 矢口真里 』
という捉え方で、これからも温かく見守っいて欲しいと伝えます。
個人のビジュアルや人格を大衆受けするようにデフォルメされて、時には自発的な意思表示をすることすらも許されないままに、判で押したようなあまり代わり映えのしない小ギレイなパッケージングを施されて、売れている間は分刻みの殺人的なスケジュールを言い渡され、そして需要が減り必要がなくなってしまえば簡単に廃棄されてしまう ― 。
彼女は世間、あるいは事務所のそういった悪しき風潮に対して、明確なアンチテーゼを提示したかったのではないでしょうか?
彼女のこういった言葉の一つ一つは本当に強く私たちの胸を打ちます。彼女の心の叫びは、ストレートに私たちの胸を揺るがして止みません。
切々と自らの心情を吐露する矢口さん。
「 今日は泣かない! 」
その宣言通りにここまで頑張ってきたのですが...。
矢口 : 「まあでもね、この2年間自分でやってきたことは、後悔もしないでやってこれたのでそれが一番いいかなー、って思いますね。」
と、ここで彼女はなにかを誤魔化すかのように、いたずらっぽく笑います。
矢口 : 「...え...と、フフフフ......。」
そして彼女は、涙声で不意にこんな風に呟きます。
矢口 : 「もう、ヤダ...。」
その声は悲しみにうち震え、まるで駄々をこねる子供のようでした。
矢口 : 「あ、ちょっと待ってね。...大丈夫、全然大丈夫だから...。」
彼女はまるで自分自身に言い聞かせるかのように、涙混じりにそんな風に言いました。しかし涙混じりで強がる彼女の言葉は、全く説得力を持ち合わせてはいませんでした。溢れ出す涙を抑えきれない矢口さん。しかし彼女は、健気にも言葉を続けます。
矢口 : 「前向きに行こうと思います。終わることが、ダメだったから終わるとかいうのじゃなく、次へのステップとして考えて次の番組も頑張っていくので..。」
しかし、ここで張り詰めていた緊張の糸がプッツリと切れてしまったかのように、彼女は嗚咽を漏らし始めます。そしてその嗚咽の声は、次第次第に大きくなっていきます。
そして ― 。
矢口 : 「...もう、ヤダーーーー!!」
彼女は絶叫に近い悲鳴を上げて、泣き崩れます。
何万人もの目の前で、我を忘れて大声を上げて泣き叫ぶ女の子 ― 。
それは冷静に静観するのが困難なぐらい、非常に痛々しくて凄惨な情景でした。私は、自分が酷く残酷なことをしているような心境になってしまいました。
だって、私には目の前で大声を上げて泣き叫ぶ女の子に手を差し伸べることも、優しい言葉をかけてあげることすらも出来ないのですから...。
しかし矢口さんは、涙でボロボロになりながらも、必死で言葉を紡ごうとします。
矢口 : 「ホントにね、この番組でたくさんいい思い出が出来たので、すごい胸が一杯なんですけど、でもやっぱり絶対にこの番組で教えてもらったこととかを忘れないで、これからはアーティストの矢口真里として頑張っていけたらいいな、なんて思っています。本当に2年間、どうもありがとうございました。」
声を震わせながらも、この番組に携わることの出来た喜びを、自分の言葉でしっかりと語る矢口さん。最後までキチンと責任を持って、自分の仕事をやり遂げた矢口さん。
彼女は涙を拭い、全てを潔く吹っ切るかのように、決意に満ちた前向きな態度をもって元気よく最後の曲紹介を始めます。
矢口 : 「この番組最後の曲になります。聞いて下さい...モーニング娘で、『 ここにいるぜぇ! 』 」
YES! WONDERLAND
夢の翼を広げ
BREAK THROUGH
自分をブチ破れ!
"何がしたい?"とか聞くけれど
話せばビックリするじゃん
知らない事とか始めると
超不安な顔するじゃん
僕らはまだ夢の途中
みんなみんなそうなんだ
いいわけなど GOOD BYE BYE
チャンスはそこにある
YES! WONDERLAND
一度きりの人生
お腹いっぱい学ぼう
YES! WONDERLAND
夢の翼を広げ
BREAK THROUGH
自分をブチ破れ!
『 ここにいるぜぇ! 』 | 作詞 | つんく |
| 作曲 | つんく |
| 唄 | モーニング娘。 |
...大丈夫です、矢口さん。
あなたがこれまでやってきたこと、そしてあなたがそこにいたという事実は、色褪せることなく人々に勇気や元気を与え続けていくに違いありません。
だって、「 一度きりの人生を、お腹いっぱいに学ぼう 」 と声の限りに力一杯歌い上げているあなたは、間違いなく、今、確かに、 『 ここ 』 ( 私たち一人一人の心の中 )にいるんですから...。
【 矢口真里の大いなる発見辞典 】
▼ 「 トイレは我慢してはいけない 」【といれ・は・がまん・して・は・いけない】(限界)
(1) | 修学旅行の時にバスで移動をしている最中、トイレ休憩の時間を迂闊にも寝過ごしてしまいトイレに行かなかったところ、再び移動を開始したバスの中で腹痛に襲われて、そのあまりの激痛に我慢の限界を超えてしまい、結局バスを止めてもらい、最寄のペットショップのトイレを借りることとなった苦い思い出を回想して、矢口真里が口にした言葉。「 あの時は凄く恥ずかしい思いをした。 」 というのは矢口真里の談。 |
▼ 「 気合が入りすぎると変になる 」【きあい・が・はいり・すぎる・と・へん・に・なる】(センス)
(1) | その日の洋服を気合十分でコーディネートすると、何故か、誰もがツッコミを入れたくなるようなミスマッチ感がありありと見て取れる洋服をチョイスしてしまい、その度にモーニング娘。のメンバーにディープ ・インパクトを与えていると言われる石川梨華を評して、矢口真里が口にした言葉。石川梨華はコーディネイトに気合が入りすぎると、体中に無数の奇っ怪なオブジェを装着する傾向がどうもあるらしい。ちなみに、通常時のあまり気合の入っていない時の石川梨華のファッションは、それほどおかしくはなく普通だ、と矢口真里は語っている。 |
▼ 「 梨華ちゃんはツッコミ甲斐がある 」【りかちゃん・は・つっこみがい・が・ある】(悦楽)
(1) | ゲスト出演した石川梨華の織り成す、チャーミー・ボケ・ワールド ( C.B.W ) の暴走を阻止すべく、的確なタイミングで適切なツッコミを入れていた矢口真里が、恐らく番組中にハッキリと認識したであろうと思われる真理。 |
▼ 「 ありがとう 」【ありがとう】(感謝)
(1) | 矢口真里が2年間に渡ったオールナイトニッポンの放送を終える瞬間に抱いた、そして矢口真里以上に番組制作に携わったスタッフが、さらに全国でこの放送に耳を傾けていたリスナーがほぼ同じ瞬間に自然発生的に抱いた、感謝の気持ち。その言葉は月並みかもしれないが、その時の皆の気持ちを、最も簡潔且つ的確に言い表した言葉であると言える。 |
お疲れ様矢口さん。そして、本当にありがとう。