「 石川梨華研究所 ・ 研究論文 」

【 石川梨華が番組終了間際に発した、ある言葉に関しての一考察 】


『 石川梨華大開放スペシャル 』と銘打たれて先日放送された、タンポポ編集部オソロ。

石川梨華研究に日々心血を注ぐ我が研究所は、番組終了間際に石川梨華が発したある言葉に今回は着目してみた。

石川梨華が番組終了間際にふいに口にした言葉、それはこんな言葉だった。


「 壊れない自分がほしいの 」


一見この言葉は、彼女が所属しているシャッフルユニットの楽曲 『 壊れない愛がほしいの 』 に掛けたギャグであるとも受け取れないこともないが、長年彼女の研究を続けてきた我々はこの言葉の裏に潜む、彼女の心の闇を垣間見ることが出来た。


彼女が日々活動を続ける芸能界という世界。そこは新旧の入れ替わりの激しい、流動性の高い世界であると人は言う。

そんな激動の渦中で、人気・話題性においてここ数年来トップの座を守り続けているモーニング娘。そして、そのモーニング娘。の中において中心的な役割を担うまでの成長を遂げた石川梨華。

一見、順風満帆に見える彼女の芸能生活。しかし、そこに至る道のりは決して平坦なものではなかったはずだ。

彼女が名声を得るために乗り越えてきたもの、犠牲にしてきたものというのは我々常人の想像をはるかに凌ぐものであったことだろう。彼女が様々な苦悩に日々苛まれていたであろうということは想像に難くない。

ごく一握りの人間しか手にすることを許されない 『 トップスター行き 』 という名のチケット ――

彼女がそれを手に入れる代償として犠牲とすることを余儀なくされたもの、それは素の自分、ありのままの感情を表出する石川梨華という人間を放棄することに他ならなかった。

彼女は万人から愛されるために自分の素直な感情を胸の中に押し止め、デフォルメされた分かりやすいキャラクターを演出することに専念した。

当初の理想からすれば、そんなことをしなければならないだなんて想像すらもしていなかったが、『 万人から愛される 』 ためにはそのようにすることがどうしても必要だった。


『 ポジティブ 』 という言葉は、偽りの自分を演じ続ける彼女の苦悩を癒す、不思議な響きを持つ魔法の言葉だった。

ことあるごとに彼女はこの言葉を口にして、自分自身のモチベーションの低下を抑止してきた。

この言葉を唱えて苦難を乗り越えていくたびに、彼女は自分自身のコントロール方法を徐々に体得し、自分が周りから求められているキャラクター像を自然と演じていく術に長けていった。

この言葉の響きを拠りどころとして今日の彼女があると言っても、それは決して過言ではない。

そうして彼女はいつしか、名実ともにトップスターの仲間入りを果たした。

分刻みのスケジュール、多忙な毎日。人から必要とされることに無二の喜びを感じる彼女にとって、それは充実した夢のような時間だった。


『 みんなが私を必要としてくれている。愛してくれている。私の居場所はここにあったんだ。 』


彼女はその喜びを胸の内で密かに噛み締め、莫大な報酬とともに自分の存在意義を十分に充足してくれる芸能界という世界の大きなうねりの中に、次第次第に飲み込まれていった。


その後順調に仕事をこなす彼女だったが、日々の芸能活動にも安定感を帯び始めてきたある日のこと、彼女は突然得体の知れない虚無感に襲われる。

その日もTV番組の収録などが押し、帰宅時間は午前0時を既に回っていた。

都内で一人暮らしをしている彼女。マンションに帰ると当然部屋の中は真っ暗で、玄関先のポーチライトが仄かな明かりを灯しているだけだった。

薄暗い室内を見回して彼女は玄関に座り込むと、大きく一つ溜息をついた。

みんなから愛されているはずの自分なのに、マンションに帰っても部屋の中は真っ暗。ありのままの、素顔の彼女の帰りを待ってくれている人はそこにはいない。

仕事先ではファンやスタッフの皆が彼女を気づかい、優しい言葉をかけてくれるけれど、それはあくまでも作られたキャラクターを演じている彼女に対してかけられる声援であって、本当の自分にねぎらいの言葉をかけてくれる人というのは家族や昔からの友人以外には殆どいない。

彼女はその時になって初めて、現在の彼女自身、そして現在の彼女を取り巻く環境というのが、『 石川梨華 』という商品としての刹那的なイメージによってのみ構築される、極めて儚くて極めて脆弱なものであるということに気が付いた。


『 本当の私はここにいるの!あなたがメディアを通して目にしている私は、本当の私ではないの!本当の私を見て!ありのままの私を見て! 』


―― 誰にも届くことのない、彼女の心の声。

彼女の意思、素直な思いを伝えるには彼女を取り巻く環境 ・ マーケットはあまりにも巨大になりすぎていた。

そしてなによりも他ならぬ彼女自身が、ありのままの自分を周囲に受け入れてもらえるかどうかに確固たる自信を持てないままでいた。


そして彼女は深夜ラジオを通じて、自らの偽らざる素直な心情を、囁くようにこう静かに吐露する。


「 壊れない自分がほしいの 」


それはタレントとしてではなく、ありのままの自分を受け止めてくれる世界を希求し始めた彼女の、新たな目標をはらんだ決意の言葉に他ならなかった。


自分の価値は第三者によって定義されるものではなく、自分自身の手で見つけ出さなければならない ――


彼女の言葉の中に込められたこのようなメッセージを、あなたは感じ取ることが出来ただろうか?
















研究員<こんな感じなんですけれど、どうでしょうか石川さん?



( ^▽^)<...う〜ん、オチにもうちょっとヒネリがほしいところですね...



研究員<あ、やっぱりそうですか?



( ^▽^)<それに私、「 壊れない自分がほしいの 」 ってそんなに深い意味を込めて言った訳じゃないんですよ。あの言葉は元々作家さんが考えたものだし...



研究員<いや、私もね、「 この言葉には他意はないんじゃないですか? 」 って所長に言ったんですよ。でも所長の方がね、「 いやっ!これは彼女の心の闇が言語化されたものに違いない!君は一体、何年梨華研究をやってるんだ!私が納得するような論文を明日までにまとめときなさい!いいね!?プンスカ!! 」 なんて言うもんですからね...



( ^▽^)<はぁ〜、大変ですね。



研究員<ええ、まあ。あ、ところで石川さん、私この論文を180%妄想の下に書き上げたんですけれども、ここに挙げたようなことって本当にあったりするんですか?例えばラジオをやっている時の石川さんは、意識的にキャラクターを作り上げているだとか...



( ^▽^)<キャラクター?私がですかぁ?



研究員<ええ。



( ^▽^)<やだな〜、研究員さん!テレビの時もラジオの時も、私そんなにキャラクターなんて作ってないですよ!特にラジオの時なんか、私もう素中の素ですよぉ!



研究員<あ、やっぱりそうなんですか!やっぱり所長の勘違いなんだよなぁ....あ、でも石川さん、ここに所長が来た時にはなるべくネガティブな雰囲気を醸し出しておいて下さいね。ああ見えて所長、自分の持論に誇りを持っているし結構センシティブなんで...



( ^▽^)<はぁ...



( ...コツコツコツコツ... )



研究員<あ!所長が来たみたいです!石川さん、早速ネガティブめのテンションでお願いしますね!



( ^▽^)<ええっ!?



( カチャッ )



所長<やあやあ、研究員君。論文の方はまとまったかな? (← マサイ族の格好をした所長、田村正和の顔マネをしながら登場)



( ^▽^)<!!!!



研究員<あ、これはこれは powa powa 所長!本日もまた素敵なお召し物で...



所長<うん、知ってる。まあまあ、それはいいんだけどさ、論文の方はどうなの? (← 手にした杖で剣道の早素振りをやりながら)



( ^▽^)<!!!!



研究員<はい、石川さんにお手伝い頂いたおかげで何とか...



所長<おぉ!これはこれは石川さん!こんばんみぃ!(← 松方弘樹のモノマネで)



( T▽T)<...人間て悲しいね...



所長<ぬおぉぉっ!トゥー ・ リアルッ!!! (← 所長、鼻の穴からクラッカーを発射)



研究員<( 石川さんナイスっ!迫真の演技!!最高!! )



( T▽T)<...人間て悲しいね...グスッグスッ...



研究員<( ん?...演技...だよね? )



( 研究員と石川さんの背後を、ムーンウォークで行ったり来たりする所長 )



みたいなね...(^^;


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